2015年3月16日月曜日

80点超えのスピーチをするには

高得点をとるスピーチはどのようにすればいいのでしょうか。これを知るためには、ジャッジがどのように点数をつけているのか、また一般的に各ロールにおいて求められていることを知る必要があります。

総論:いつ高い点数がつくのでしょうか?
それは実はある程度シンプルで、

①目だった弱点が無く
②複数の長所が目立つ

という2条件をクリアするだけです。

①から話します。特に、ジャッジは「減点方式」で点数をつける傾向があります。(これが良いかどうかは置いておいて。)どういうことかというと、首をかしげたり、「ん?」って思ってしまえばしまうほど点数が下がっていく傾向があります。例えば「アサーションだった」「反論をドロップした」「モーションと関係ない」「あまりにもストラクチャーが汚い」のように、明らかに目立つ弱点はすぐに点数が伸びない理由になります。
特に「Average付近で点数が伸びない」というディベーターは目立つ弱点が1・2個ある傾向があります。この段階での対策というのは、シンプルですが目立つ弱点を克服することです。それはAdjudication Briefingにも書いてあるようにある程度シンプルな基準です。例えば、

・Exclusivity(相手と自分のモデルの違い)のメカニズム
・Practical Impact(重要性)
・Principle / Value Judgement
・Relevancy
・Engagement
・Structure

あたりが特にAverage付近で点数が伸びないときの原因です。

②に関しては、「無難にやっている」ではなくて、ジャッジをおお、と思わせることが必要です。例えば

・Logic分析が多角的(複数のアクターがどう変わるか話したり、タイムフレームごとにメカニズムが証明されている)
・話のReality(Believableかどうか。具体的なCase StudyがあったりIntuitiveな話をしているか)
・具体的な描写(特に、social normやmovement、moral obligationのようにふわふわしがちな話がImpactまで落ちていたり、step by stepで説明されていたりする)
・パブリックスピーチとしての長所(イントロとアウトロがこっている、重要なところはゆっくり落ち着いて話す、スピードやトーンにメリハリがある)
・英語力・レトリック(格好いいword choice、比ゆ表現等がある)

等になります。①をクリアした後に②もいくつかあると、70点台後半はコンスタントにつき、場合によっては80を超えるようになります。

特に②に補足すると、さらに言うと

・普通は思いつかない話をする(実はこういうアクターにハーム、向こうの前提は違う)
・counter-intuitiveな話をintuitiveにたてる(労働者の権利に比較した企業の権利の重要性など、一部のジャッジに敬遠される話を説得的にイラストする)
・普通は知らない詳しい知識で話す(めちゃくちゃ具体的なアフリカのCase Study等)
・Flipをする(相手の話をひっくり返す)

のようなことをすると、確実に80を超える傾向があります。

各論:各ロールで特に求められているのは何か?

3 on 3
Prime Minister
・Necessityのmomentum。もう何かしないといけないとは思わせる。具体的なイラスト。
・相手がすぐ言ってくるであろう話への対応(Free choiceは今回制限される、などのスパイク)
・Reality, workabilityのあるモデル、AP
・聞こえの良いFraming(例えば、legalize SMの場合"sexual desire"ではなく、"minorityの権利"のようなパッケージ)

Leader of the Opposition
・GovへのProblemへの対応、Opp Model
・Oppositionとしてのinitial harmのイラスト
・聞こえの良いFraming

Deputy (Deputy Prime Minister / Deputy Opposition Leader)
・相手のinitial harmへの対応(Flip, Comparison含む)
・新しい視点による貢献(多角的視点・具体性等)
・強い3rd argument(相手への対応、新しいフレーミング等)

Whip
・ボトルネックを整理し、ストーリーラインを改めて分かりやすく提示(例えば、1つめのClashでcharacterizationを確認する)
・前のスピーカーがしていない新しい反論
・Most Likelihood Scenarioの提示(例えばAPどうなるのかを、gov/oppが対立したらどちらの方が多いのか、より起きるのかを証明)
・Even ifによるBest Caseへの対応

Reply
・Whipとは異なるまとめ方
・ディベートから一歩ひいて、Adjudicationの基準に近いものを提示

BP
・(Openingはほぼ一緒)
・しかし、Closingが抜きづらいFramingをOpeningの地点ですることが重要

Member (Government Member / Opposition Member)
・OpeningとClosingの差異化のFraming
・相手のOpeningを消す反論
・ディベートの見方・攻防が大きく変わったと思わせる分析

Ship
・ClosingのContributionの確認
・Extensionの埋め込み
・反論を含むNew Matter (not New Argument, butイラスト等)


当たり前じゃないか、と思うかもしれませんが、本当に目立った弱点をなくして長所をいくつか見に付けるとコンスタントに80以上がつきます。大事なのは、自分が「どの能力」が必要なのかを見極め、その能力をつけることにはなりますが。

1 件のコメント:

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