2018年4月9日月曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論③】Deputy Speakers編

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
前回のPrime Minister編Leader of the Opposition編に続いたDeputy Speakers編です。

Deputyって難しいポジションだと思います。スタイルもフィロソフィーも人によって大きく異なりますし、ラウンドの流れによっても変わります。とはいえ、それでもいくつかポイントがあると思いますのでak_debateが感じるところを書いてみたいと思います。
(なお、前提としてDPMはLOの話にかなり近い部分があると思います。そのような1st Contact特有の内容はLOの記事に譲り、それ以外のポイントを書きたいと思います。)

1. 相手の最も強い話を立論・反論の両輪で全力で対応する
相手の最も強い話を、"Constructive Speech"として対応することができるのは2nd Speakerまでです。また海外や一部のジャッジではWhipから反論されるのでは遅すぎると判断する人たちもいます。そういう意味で、立論・反論の両方を使い切ることが重要になります。
UADC 2013 FinalのDPMは反論を重視しているパターンだと思います。Inheritance Taxの不十分性(構造的な不平等の大きさ等を指摘)を含めてかなり細かく反論しています。
また、UADC 2012 QFのDPMは、LOのFearの話をFlipする形で犯罪がいつ起きるかわからないような状況のほうがむしろfearfulであることを指摘しています。

また、よく先輩にアドバイスされる点として所謂「counterproductive」Argumentを立てろということかと思います。相手が守りたいことが実はむしろ悪くなるorこちらの方で達成できる、という話です。ICUT 2013 GFのDLOでは、conflictがむしろ減るという点を立論として出しています。なお、これらの話は所謂Secondary Mechanismの強化とセットで行わないと、アイデアベースになってしまうかもしれないのでご注意ください。

2. Leaderのスピーチを「足りない点」「多角的な視点」をキーワードに伸ばす
まず、「足りない点」に関して。まず大前提として、Leaderのスピーチで足りない点というのは必ず埋めることが必要になります。説得やArgument等のフレームワークはいくつかありますが、それらに照らし合わせながらリーダーのスピーチを聞いていくというのはまず一手でしょう。分かりやすい話では、LeaderがStatus Quoの話はしたがAfter Planの話をしなかった、抽象的な話をしたが具体性に欠けた、等そういった場合はそこから入る必要があります。また、これより難易度の高い点としては、「特定の前提」が抜けている場合です。そもそもどういう世界観を目指しているのか、そもそもどういったキャラクターを前提としているのか、というような話は見えづらいですが説得力に大きく影響するため、それらもidentifyできることがnext stepになるかと思います。

次に「多角的な視点」に関して。UniquenessやTime Frame等でMECEに考えることも重要になるでしょう。(思考力の習得方法はこちらに書いています。)(なお、特に日本人ディベーターはここが弱く、Asian Styleでなかなか勝ちきれなかったりClosingでExtensionを出し切れずに負けてしまうことをよく見てきたのでナショナル・アジェンダかもしれないと思っています)例えば、JPDU Pre-Australs 2013 GFのDPMではreligionのuniquenessとしてafterlifeの話が伸ばされています。また、ずいぶんと古くて恐縮ですがAustrals 2004 GFのDPMはDomestic/International Implicationの話をきれいに伸ばしていると思います。なお、個人的にはオーストラリア勢は歴史的に総じて2nd Speakerが上手いと思っており、例えば2009のGF等でもそれを感じています。

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(主要記事まとめはこちら

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